こんにちは、アンです。
最近、自分でも思いがけずはまっているものがあります。
それは、「百人一首」です。
子どもの頃に学校で学んだけれど、どちらかというと当時はかるた遊びに夢中で、歌の内容にはあまり興味が向きませんでした。
なんとなく、古典には苦手意識があって・・・。
それがとつぜん今になり、日本の代表的な古典に夢中になる日が来るなんて。
生きているとなにがあるかわかりません。
そのきっかけとなった本がこちら。「ときめく百人一首図鑑」。
タイトルのとおりの本です。ほんとに感情移入しながら読めます。
大きくて綺麗なイラストと共に、詳細な現代語訳と簡単な意訳の両方を載せてくれているので、心にすっと入ってきます。
この本を読んで感じたのは、
「百人一首は、大人になった今だからこそ、そのおもしろさが理解できる」ということでした。
百人一首のおよそ4割は、恋について詠まれた歌。
女性歌人の歌の内容の多くは、男性に向けて詠まれた恋心で、
その内容は、せつないものや激しいもの、悔しさや憎しみを感じる歌もあります。
人が人である以上、誰かを好きになることは避けられない。
悔やんだり、相手を憎く思うことだって避けられない。
傷つきたくなくても、傷ついてしまうこともある。
傷つけたくなくても、傷つけてしまうこともある。
人を好きになると、どこにも持って行きようのない感情があることも知ることになる。
恋心が自分を幸せにすることもあれば、自分を苦しめることもある。
1000年以上も前に生きていた人々が詠んだ歌から、その心の動きに共感し、胸にぐっときて、そのことに純粋な感動を覚えました。
とくに胸に響いた歌の歌人は、小野小町、伊勢、儀同三司母、大弐三位、赤染衛門。
彼女たちとは同じ女性というだけで、時代も環境もなにもかもが違うのに、なぜこんなに共感できてしまうのか・・・。
今後の教訓にしようと思うような複雑な心境の歌もたくさん。
男性歌人のなかにも、つい共感してしまうような恋心を詠んだ歌がいくつかあります。
人を好きになるって、いつの時代もとても素晴らしく、そしてとても大変なことなのですね・・・。
そのような、胸に秘めた複雑な思いを、5・7・5・7・7のリズムで美しく歌に詠む、その潔さと言葉選びのセンスがかっこいいです。
それこそが、百人一首がこんなにも長く愛されている理由のひとつなのでしょうね。
こんなふうに歌を交わしあって仲を深めていた時代、すてきだな・・・と憧れます。
百人一首に興味を持った、いちばん最初のきっかけについて。
先日、実家で頂きもののお菓子を食べていて、それが「小倉山荘」という京都府長岡京市のお菓子メーカーのおかきでした。
そのなかに「小倉百人一首全訳」という小さな冊子が入っていて。
それが、とてもわかりやすい現代語訳(意訳)で、百人一首ってこんなにおもしろい内容だったの?となり、いまに至ります。
ほんとに人生なにがあるかわかりませんね。
それが、生きることのおもしろさなのかもしれません。
次はいったい何にときめく日が来るのでしょう。